4月 教会長法話

今月のご法話、謙虚に生きる 、私達の悠久なる「いのち」の流れのなかで、いま生命ある事の有り難さに気付くと、まさにあらゆるものが輝いて映り、周りと調和して謙虚に生きようという気持ちが湧いてきます。命が地球に誕生した40億年前、バクテリヤのようなものが誕生して、地震にやられたり、火山にやられたり、艱難辛苦(かんなしんく)を乗り越え乗り越えして、命がだんだん進化して、人間になったのはほんの数万年前、今発見されている人骨の一番古いのがそれです。今回の震災で亡くなられた事に悲しんでばかりいられない、一緒に悲しみをあじわいながらも、なお生かされた人達がいかに生きるかが大事なのだと言う事をこのご法話でおっしゃって下さっているのです。

今命あると言う事は、なんと有難いことか、そのような気持ちになるとあらゆるものが素晴らしく見えてきます。一遍上人が人は自分の力で生きていると思っている時、人は 自我にとらわれ、驕(おご)りと慢心に支配されます。そしてだんだん感謝を忘れてしまいます。もし心に驕りの影が忍び寄ったと感じたらまず「懺悔文」 、「我れ昔より造れる所の諸々の悪業は皆無始の貧瞋痴に由る。身と口と意(こころ)よりこれ生ずる所なり。一切われ今みな懺悔したてまつる」――これは「過去における私の多くの悪の行いは、みな深い貪りと怒りと愚かさによるものである。体と口による言葉と心で重ねてきたそれらの行いのすべてを私はいまここで懺悔いたします」と言う意味ですが、知らず知らずの内に驕(おご)りやすい私たちも、こうした言葉によって自分自身を深く省みる心を呼び覚まされると、謙虚さとともに人を思いやる優しさを取り戻すのではないでしょうか。

瀉瓶無遺の91番に、地球をはじめとして星にもそれぞれ軌道があるように、人間にも人間として守るべき倫理規範というか歩むべき道があります。もしも、この世に基準となるべき物差しや秤がなかったならば、私達は社会生活をスムーズに営むことはできません。日本は今、東日本大震災の事で世界の人々は日本人の素晴らしさを褒めています。普通海外では略奪とか、内乱みたいになる事が多いのです。ところがよろしくない人も中にはいますが、国民の大半は困った人を助けてあげよう、そういう素晴らしい日本を今海外では褒め称えられているのです。それは日本が仏教の国だからです。

久遠実成のご本仏に生かされている、その本仏の力を十分に受け取っている皆さんだから神通力の持主であるので、本気なって今出来る生活の場で、何をしようか、何をさせてもらおうかと言って、世の為、人の為にしっかりその命を使わして頂こう、私達の力は微々たるものだけれども協力をして下さる市民の方々が大勢おられるお陰様で、国連に支援が出来たのです。多くの方々の心を受け止められれば、慢心驕慢(まんしんきょうまん)にならないわけです。今月のテーマ  精一杯今すべき事をさせて頂いて、そして謙虚に、そういう生き方をさせて頂きましょう。今月の謙虚に生きるという会長先生のお言葉であります。どうぞこれから益々長期戦で、東日本の支援が続くだろうと思いますけれども是非結果が出たら成し遂げられたという事ではなしに、結果を出すために今微々たるものでもさせて頂けるという感謝を心に持って日々の生活をさせて頂きましょう。     謙虚=ひかえめで素直なこと (広辞苑より)